彼岸
「 抗がん剤、止めたい」
時々、辛く成ってしまう。
止めれば楽に成れるのに
「 でも全て無くなるよ」
僕の父方の祖父は僕が生まれる前に亡くなったらしい。
大変な働き者であったらしい。
真面目で優しいおじいちゃん、そんなイメージです。
僕は父親とは縁が薄かったものですから祖父のそれ以上の情報はありません。
僕もあと十年もすればこの世に居ないでしょう。
十年は欲張り過ぎでしょうか。^^
あの世に行ったら 僕は祖父に こう挨拶するんです。
「こんにちは、初めまして。僕が貴方の孫です。」
すると祖父はこう答えるんです。
「あー 上から見てたよ。頑張ったね。お疲れさん。」
なんて・・・出来ればそんなあの世であって欲しいなぁ。
しかし何とも他愛の無い話です。
キーボードを打ちながら、目を潤ます程の事でもあるまいに 耄碌でしょうか。
極楽浄土は遠く、険しい道のりを歩いてこその賜物だと神は仰る。
其れも有りだと僕の中のちっさな神様がうなずく。
先月生まれたばかりの娘の赤ちゃんの
其のちっさな命の中のまた ちっさな神様が語り掛けて来る。
「お祖父さんが教えてくれるよ」 って
墓参りは自分参り。久し振りに行ってみようか。
お彼岸です。 (人)